指輪の基礎知識
婚約と結婚の違いって？メリットやトラブルを避けるためのポイントを解説
結婚を意識するカップルにとって、婚約は重要なステップです。婚約の成立には明確な基準はないものの、一定の法的効力があります。
さらに、婚約中はお互いの絆が深まるだけでなく、家族同士の関係性も構築されていく大切な期間です。うまく進めるためには、指輪の準備や両家への挨拶、結納など、さまざまなイベントを段階的に計画する必要があります。
また、この時期は、相手に求めるものや価値観の違いなどが表面化しやすく、費用や役割分担についての細かい擦り合わせが欠かせません。
本記事では、婚約と結婚の違いを明確にしつつ、メリットやトラブルを避けるためのポイントを詳しく解説します。
婚約と結婚の違いとは？
婚約と結婚は、どちらも重要な人生の節目です。しかし、このふたつには明確な違いがあります。ここでは、婚約と結婚の違いについて解説します。
・婚約
・結婚
・婚約のタイミング
婚約
まず、婚約とは、当事者同士が意思確認し、将来的に結婚の約束をすることです。婚約の成立には、明確な形式や決まりはありません。
婚約は、一定の法的効力を持ちます。そのため、一方的な婚約破棄があった場合は、慰謝料請求が認められることもあります。婚約する際は言動に注意し、相手の生活に配慮しながら過ごすことを心がけましょう。
結婚
対して、結婚とは、男女が法律に則って正式な夫婦になることです。日本では、婚姻届を役所に提出し受理されることで成立します。
婚約との違いは、配偶者としての権利や義務が発生する点です。戸籍上、夫婦として記録されることで相続権、扶養義務などが生まれます。結婚は婚約時の約束を実行に移し、法的にも社会的にも夫婦として認められる正式な契約なのです。
婚約のタイミング
結婚の前段階である婚約ですが、タイミングに厳密なルールはありません。一般的には交際を重ね、お互いの将来像を共有できた時点でプロポーズが行われ、婚約が成立するケースが多いです。
また、仕事や生活環境などライフステージの変化に合わせて婚約を決める方もいます。結婚式や新居の準備には時間がかかるため、お互いの家族とスケジュールを相談することも重要です。
婚約ですることは？
ここまでで、婚約が結婚前の重大なイベントであることがわかりました。では、実際に婚約でどのようなことをするのか、詳しく解説します。
プロポーズ
婚約の始まりは、プロポーズからです。このとき、結婚の意思を伝えて、了承してもらうことで婚約が成立します。
自宅でプロポーズをしたり、旅行先でサプライズを仕掛けたりと、思いを伝えるシチュエーションはさまざまです。しかし、これといった決まりはないため、相手の性格や好みに合わせて計画しましょう。
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婚約指輪
プロポーズとともに贈られることが多いのが、婚約指輪です。婚約指輪は、結婚後も記念として形に残ります。
そのため、デザインや品質にこだわる方もいるでしょう。また、指輪を贈ってくれたお礼として、相手に腕時計や記念品をプレゼントする場合もあります。
双方の親への挨拶
婚約が決まったら、双方の親への挨拶も必要です。一般的には婚約を報告するために、相手の家を訪問します。
ただし、相手を会わせる前に、まずは自分で親に結婚したい相手がいることを伝えておきましょう。その後、親の都合を確認し、手土産や服装にも気を配りながら日程調整をします。
順番としては、男性が女性の親に挨拶をしてから、女性が男性の親に挨拶をするのが基本です。ここでの印象が今後の家族関係に大きく影響するため、緊張していても礼儀正しく対応しましょう。
結納
結納とは、結婚の約束を正式に交わす日本の伝統的な儀式です。簡略化したスタイルも選べますが、一般的には両親の意向や地域の風習に沿って行います。
仲人を立てて進行したり、金品を取り交わしたり、その内容はさまざまです。結納は家と家のつながりを意識するよい機会であり、両家の結びつきを深められます。
両家顔合わせ
最近は結納をしないカップルも増えており、代わりに行われることが多いのが両家顔合わせの食事会です。形式ばっていないため、お互い和やかに食事と会話を楽しめます。
レストランや料亭で行われることが一般的ですが、これといった決まりもないため、気軽に親族一同を招待しても問題ありません。顔合わせを通して言葉を交わすことで、家族ぐるみの信頼関係を築けます。
婚約通知
婚約が決まったことを、親戚や親しい友人に知らせるのが婚約通知です。大抵の場合は、はがきや手紙で知らせます。
内容については、婚約の報告とお相手の簡単な紹介、結婚式など今後の予定を簡潔に記載することが多いです。また、マナーとして、職場や仕事で関わりのある人には送らないようにしましょう。
婚約パーティ
婚約を記念して、友人や親族を招いた婚約パーティをするカップルも増えています。日本では、結納の代わりに開催されることも少なくありません。
婚約した当事者以外が主催して祝うこともあり、カジュアルな形式で関係者の親睦を深められます。記念品の交換や婚姻届にサインをしてもらうなど、セレモニー要素を取り入れる場合も多いです。
婚約式
家族や本人の意向により、婚約式を行うこともあります。もともとは、キリスト教の儀式でしたが、現在はその垣根を越えて多くの人が行っている厳粛なものです。
婚約式は、教会や神社など神聖な場所で、親しい人にも立ち会ってもらいながら指輪の交換をしたり契約書にサインをしたりします。時期としては、遅くとも結婚式の3か月前に行うのが一般的です。
婚前契約書
近年は、婚前契約書を交わすカップルもいます。法的効力もある婚約の場合、トラブルの際に役立つのがこの書面です。
内容は自由に記載できるため、結婚するうえでの財産管理や生活環境など、自分が譲れない項目は入れるようにしましょう。作成にあたって価値観を共有することで、すれ違いも未然に防げます。
婚約のメリットと注意すべき点について
婚約するにあたって行うべきことは多々ありますが、どれも関係性を深めるうえでは重要なイベントです。また、準備に手間をかけた分、受けられる恩恵もありますが、細やかな配慮が必要な場面も少なくありません。
以下では、婚約のメリットと、スムーズに進めるために注意すべき点を詳しく解説します。
婚約のメリット
婚約は、お互いの絆が深まるのが最大のメリットです。しっかりと将来の約束をすることで、相手を思う気持ちも強くなります。
また、結婚に向けた合意が正式に交わされることで、責任感も生まれるでしょう。そうなると、住まいや仕事など、将来のビジョンについて話し合う機会も増えます。こうした話し合いは、結婚生活をより安定したものにするためにも重要です。
さらに、帰る場所ができるということは、心理的な安心感をもたらし、人間的な成長にもつながります。相手のためによりよい自分になりたいという気持ちも芽生えるため、自然と日々の学びも大切にできるでしょう。
加えて、2人の関係性がより明確なものになるため、家族や友人など、日ごろからお世話になっている人に報告ができるのもうれしいポイントです。婚約を事前に伝えておけば、今後の予定について周囲からの理解や応援もしてもらいやすくなります。
このように、婚約には心理的な安心感や将来設計の具体化、周囲との関係性の構築といったさまざまなメリットがありますが、ただ流れに身を任せるだけではいけません。婚約中はしっかりとその意義を理解し、貴重な時間を有効活用していきましょう。
婚約の注意点
一方で、婚約には注意すべき点も存在します。まず、理解しておきたいのは、婚約は法的な効力を持つということです。
たとえば、一方的な破棄により相手に損失を与えた場合、損害賠償請求の対象になることもあります。そのため、安易な気持ちで婚約を決めるのではなく、慎重に考えて行動することが重要です。
また、婚約から結婚までの間は、記念品や式場探しなど多くの費用が発生します。その過程で意見の違いが表面化することも少なくありません。しかし、そんなときこそ価値観の共有ができるため、積極的に意見を言い合うようにしましょう。
さらに、相手の家族や知り合いと関わることで、プレッシャーを感じる場合も考えられます。周囲の人間が善意だと思ってアドバイスをしてきても、それが負担になることもあるでしょう。
ただし、あまり重く受け止めすぎず、自分たちのペースで対応していく姿勢が大切です。婚約は長い人生を共に歩むための準備期間でもあるため、問題をすぐに相談できるような関係性を築いていきましょう。
婚約から結婚までの流れ
このように、婚約にはメリットもありますが、注意すべき点も多々あります。しかし、婚約期間中に各ステップを丁寧にこなしていけば、不安に思う必要はありません。
以下では、婚約から結婚までの流れを順番に解説します。
step1：プロポーズ
結婚するための第一歩はプロポーズからです。ロマンチックな演出をするカップルもいますが、必ずしも豪華にする必要はありません。
大切なのは気持ちのこもった言葉を伝えることです。プロポーズが成功したら、結婚に向けて動き出しましょう。
step2：両家の親へ挨拶
プロポーズ後は、両家の親に挨拶する場を設けます。まずは、自分の両親に婚約を報告し、訪問日を調整しましょう。また、相手がどんな人か事前に両親に伝えておくと、話を円滑に進められます。
step3：婚約指輪を購入
プロポーズや婚約成立のタイミングで、婚約指輪も購入しましょう。現代はさまざまなデザインがあるため、相手のライフスタイルや好みに合わせて選べます。また、婚約指輪は記念に残る特別なものであるため、悩むようであれば、相手と一緒に選ぶのもおすすめです。
こちらの記事では、婚約指輪を一緒に選ぶカップルの割合や指輪選びのポイントをご紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。
step4：結納や食事会
両家の挨拶も無事に終わったら、顔合わせのために、結納やカジュアルな食事会を行います。地域や家によって違いはありますが、結納では金品の取り交わしがあり、しきたりに沿った準備が必要です。
一方、食事会は自由な雰囲気で親睦を深められます。どちらを行うにしても、両家が納得のいく形で進めましょう。
step5：婚約の報告
顔合わせを済ませ、婚約が両家公認のものになったら、親戚や友人にも報告をします。最近ではSNSが普及していますが、婚約報告については、はがきや手紙を送るのが一般的です。その際に、婚約相手の簡単な紹介や結婚までの大体の予定も添えるとよいでしょう。
step6：入籍日を検討する
婚約後、入籍日の検討も忘れてはいけません。どの日を選ぶかは人それぞれ違いますが、基本的に婚姻届の提出と結婚式は、別日程にする場合が多いです。婚姻届を先に出しておけば、その後のスケジュールに余裕が生まれて、結婚式の準備がゆっくりできるメリットもあります。
step7：結婚式場を選定する
結婚式の開催は義務ではありませんが、希望する場合は、まず式場を選定します。式場によってプランや予算はさまざまであるため、事前にリサーチして見学をするのがおすすめです。
step8：新婚旅行や新居を検討する
結婚生活のスタートに向け、新婚旅行や新居も検討しましょう。とくに、新婚旅行は日程の調整が必要になるため、職場の人の理解を得ることも重要です。
新居については、通勤や生活スタイルを考慮し、お互いの希望をすり合わせる必要があります。いつからどこに住み、生活費はどうするかなど、しっかり決めておけば新生活も気持ちよく始められるでしょう。
step9：結婚指輪の購入
婚約指輪とは別に、結婚指輪を購入するカップルもいます。ただし、納品まで1〜2か月かかる場合もあるため、結婚式に間に合わせたい場合は余裕を持って準備しましょう。結婚指輪は日常的に身につけることもあるため、デザインや着け心地を重視して選ぶのもおすすめです。
step10：結婚式の招待などを作る
結婚式のプランが決まったら、招待状やゲストリストなどを作ります。ただし、突然伝えても参加するのが難しい場合もあるため、事前に挙式することは報告しておきましょう。招待状は、結婚式の3〜4か月前までに送るのがベストです。
step11：婚姻届に必要な書類を準備する
入籍するには、婚姻届の準備が欠かせません。提出の際には、証人のサインや戸籍謄本などの書類も必要になります。記入ミスや不備がないよう、余裕をもって準備しましょう。
step12：婚姻届を提出、各種手続きをする
婚姻届の提出をすれば、ついに法的に夫婦として認められます。提出後は免許証や銀行口座などの姓の変更が必要になるため、事前に各種手続きについて整理しておくと安心です。また、引っ越しをともなう場合は、転出や転入の届け出もしなければいけないため、忘れずに行いましょう。
婚約中のトラブルを避けるためには？
このように、婚約から結婚まではさまざまなイベントがありますが、2人の間や両家間でトラブルが生じやすい時期でもあります。この期間を穏やかに楽しく過ごし、結婚後も良好な関係を築いていくには、細やかな配慮が欠かせません。
以下では、婚約中のトラブルを避けるためのポイントを紹介します。
各種費用分担はきっちりと
結婚する際には結納や結婚式、引っ越しなどがありますが、各種費用分担はきっちりと決めましょう。これらの支払いを曖昧にしてしまうと、どちらか一方だけに負担がかかり、トラブルの原因になりかねません。そのため、最初からどの費用をどれだけ負担するのか、明確に決めておくことが大切です。
役割分担もしっかり決めましょう
金銭面のほかにも、結婚式や新居の準備などの役割分担をしっかりと決めておくことで、その後の夫婦生活の円満にもつながります。婚約期間のうちに話し合う習慣が身につけば、結婚後の家事や育児についても相談しやすくなるはずです。
ただし、相手の希望を優先させるだけではなく、自分の意見も言うようにしましょう。相手に任せきりだと負担をかけてしまうため、対話できる関係性を築いておくことが重要です。
お互いの価値観を擦り合わせる
結婚生活では、価値観の違いがトラブルになりやすいため、婚約中からしっかり擦り合わせをしておきましょう。仕事に対する考え方や金銭感覚で、意見が違っても否定せず、お互いを理解する姿勢が大切です。
また、相手の考えが読めず不安になったとしても、その都度話し合って妥協点を見つけることで結婚後の安定につながります。将来の目標や人生設計を共有すれば、より深い絆が育まれるでしょう。
婚姻届を出す日を先延ばしにしない
なかには、結婚式の準備や仕事の都合で、婚姻届の提出を先延ばしにしてしまうカップルもいます。しかし、明確な理由がないまま延期を繰り返すと、お互いの気持ちにズレが生じたり、不安な気持ちが募ったりしてしまうかもしれません。
そのため、早めに日取りを決めて、タイミングは逃さないようにしましょう。結婚は人生のなかで大切な節目になるため、2人で話し合って納得のいく日に設定することが重要です。
両家の家族間の摩擦を避けるために
婚約することで、両家が関わるようになったら、家族間の摩擦を避けるための配慮もしなければなりません。もし、結婚式の準備でもめてしまった場合は、プランナーや友人など第三者を入れることも効果的です。
そして、両家の考えを尊重し、意見をしてくれたことのお礼も伝えるようにしましょう。公平に聞く姿勢を見せて感謝を形にすることで、相手にも譲歩してもらいやすくなり、その後の家族間の穏やかな関係にもつながります。
まとめ
婚約は、結婚に向けた重要なステップであり、お互いの価値観のすり合わせが不可欠です。もし、考え方にズレが生じた場合も、話し合って双方が納得できる形を見つけることで安心して新生活を迎えられます。しかし、幸せな未来を実現させるためには、まずプロポーズを成功させなければいけません。
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